【 原因探しの旅の帰結は・・・】

身体内リアリティこそ自分

 

何処へ行こうと何をしようと自分の居所は、自分の身体をおいては他に在りえない。自分の身体は、外から見える外見ではなく、その外見の中味こそが本当の自分。血液が流れ・心臓が脈打ち・内臓が生を営む身体の内こそが本当の自分。

 


  1、原因は、自分の身体にこそ求められるもの  

イライラする身体は、内噴する怒りの捌け口を探し求め、やる気が出ない身体は、やる気の出ない理由を何処に探し求め、何となく不安になる身体は、そうならない方法を探し求める。

 

しかし、それは外に向かってどんなに探し求めても見つけがたいもの。空を飛び、地を這い、世の中を探し求めてもそれは見つけがたいもの。自分を駆り立てて、原因探しの旅へ向かわせる自分の身体こそが本当の原因。原因探しの旅路の帰結は、自分の身体の内にこそたどり着く。

 


 

2、見つけ出すことが大切!

 

身体の何処かに不快に思う所や慢性的に痛む所はないだろうか。 

身体の何処かに無意識のうちに力が入り、身体や筋肉を固めていると感じている所がないだろうか。

 

鳩尾(みぞおち)に堅さや痛みはないだろうか。

胃腸の調子はどうだろうか。

お腹の何処かに不快に感じる所はないだろうか。

 

呼吸を無意識のうちに止めていることはないだろうか。

集中すると或いは緊張すると、呼吸を止めて身体を固めるようにして頑張ってはいないだろうか。そういう身体の反応を努力している自己感覚だと誤解してはいないだろうか。

 

身体の何処かに暑い或いは冷えると感じる所はないだろうか。

排泄に問題はないか。

睡眠の質が悪い、眠りが浅いと感じてはいないだろうか・・・。

 


 

3、身体の中で訴え続ける小さな声を拾い上げていく

 

胃腸に響く様々なストレスや息苦しい緊張を強いられる人間関係。理由もなく突如訪れる、言われなき理不尽な仕打ち。一向に収まらない怒りや憎しみ。求めても求めても欲しいと願うものを得られない苦しみや焦燥感。将来に対する漠然とした不安が追い打ちをかける・・・。

 

これらの社会や世間から受ける様々違和感は、身体に転嫁されていく。人によっては、息苦しい・ドキドキする・汗ばむ・よく寝れない・胃腸が過敏で困るなど様々な身体症状に転嫁されていく。身体に転嫁されたこれらの症状、その身体症状に触れて初めてその人は、私はストレスや不安を受けていると気付く。

 

ロボットやアンドロイドはストレスや不安を感じないでしょう。もし外部環境から違和感を受けたとしても、生身の身体ではないので、それが身体に転嫁されようがない。息苦しい・ドキドキするなどの身体症状は起こりえないので、ストレスや不安を感じようがない。

 

身体症状の一部は慢性化し、身体症状が精神症状へと双方向的に影響を及ぼしてくる。自分で薄々気付いている、或いは気付けないでいる、自分の内なる有声・無声の訴え続ける声に耳を傾け拾い上げていく。身体を丹念に探り、身体が訴える不快感を1つずつ探し出して解消していく。身体の小さな不快感の集積が、何となくイライラする・何となく不安になる・やる気が出ない状態へと姿を変えて現われてくる。身体が発する声を探し出し、ひとつずつ解消させていく。

 

第三者の視線を気にし、外から見られている外見を気にし、或いは外からの評価や認知で自分というものを推し量ろうとする。しかし、自分は、外見でも外からの評価でもなく、脈打つ鼓動が息吹する体内感覚・体内意識・体内感受性こそが自分。自分の命の鼓動する身体内のリアリティーを差し置いて自分は存在しえない。第三者の評価や視線に左右されるのではなく、自分の身体と感覚的にも意識的にも一体化して自分自身を生きていく。

 

やがて、そう言えば以前とは違う気がすると思えてくる。今から過去の様子を逆算して見てその変化に気付く、という気付き方で解消されてきた過程を知ることが多い。